舞舞舞

  文字どおり、「時間は矢の如く」と感じ始めた。一週間はあっという間に、過ぎたっていったような感じだった。もちろん、その中身は前よりもぎっしり詰められていた。だけど、その過程でどこか辛いとか、苦しいとかと言うと、もう忘れてしまった。多分人体の自己保護装置のようなものがしっかり働いているのだろう。辛い思い出を選択的に遺忘することによって、二度傷害を防ぐのだ。
　村上が書いてあったように、「大よその物事を遠くから見れば、美しく見えるんだ」。「火鳳燎原」の呂布が言った「痛習慣了，就不痛了」のようにね。

　「人がいるところ、江湖がある」という。いくら、遊んでいるサーバーは試験によって、選出されたプレーヤーたちの専用サーバーだが、「白ちゃん」という種族のプレーヤーはちゃんと存在している。こういう種族は「ＮＡＲＵＴＯ火影忍者」の中描いている「白眼」の傍系スキル「白目」を生まれつきに身に付けられている。その特徴としては、目はちゃんと付いているのに、飾りみたい全然役に立たなくなった。「不長眼」とも言える。このゲームの古の言い伝えとは、「不打勤、不打懶，專打不長眼」なのだ。
　こういう種族のお蔭様で、毎日楽しく過ごせるようになったじゃないか、とも思い始めた。どうしてかと言うと、その種族の言動はみんなの噂の種となれるからだ。毎日、その更新を待っているのだ。そんなつまらないことによって、このもっとつまらないゲームをやっていけるのだ。
　その発言を集めて、将来出版しようか、までも考えていた。何といっても、こんな人間はめったに会えないと思う。その発言を例に
例1：「我真不知道你們在想什麼。隨便亂選一位同學出來當實習排長，讓他每天被長官幹飛，覺得這樣很有趣嗎？………………我覺得這是個很好的學習機會，大家應該要好好把握才是啊。」
　もし、本当にそう思うなら、自分でそれを引き受けてもよかったじゃないか。それに、前と後半の部分は妙にロジックのすれ違いが感じられるんだ。

例2：「班長問我說，為什麼你的聲音特別大聲呢？  我就回班長、這你就要去問其他人了。大家只要好好地用丹田發聲，聲音自然就會傳得又遠又大聲，也不會有喉嚨沙啞的情況出現。……………XX，我都做得到，其他人為什麼做不到呢？………我喉嚨沙啞，是因為今天上課的時候，喊得太大聲了。」

　このような唐突で、爆笑の発言は毎日聞こえられる。109人の中に、多分108人はこの人を避けようとしているんだろう（残りのは彼自身だ）。曰く：「馬鹿はうつるんだ」

　こんな単調な両点往復式の生活を飽きてきた。なんでこんな馬鹿なことをしなくちゃいけないのか？嫌なことで大事な命や時間を捧げなくちゃならないのか？
　考え直したら、もしこのゲームをやらなかったら、今も同じ事をしてるじゃないか。運動、食事、読書、チャット、睡眠などなど。やれやれ、結論として、やっぱり人間はどんな生活を送るのか、最初から自分の性格に決められているんだなあ。単調に単調で、それでいいんだ。毎日ドラマテックな生活（刺激で寿命が縮めそうな）はもう遠慮させていただきたいと思う。